前回の記事では、研究を成功させるには先輩と検索スキルが重要だということをお話しました。
今回は、そのほかの重要なことを書いていこうと思います。
論文や教科書などの文献
これはわざわざ僕が言うことではないかもしれませんが、文献は研究において必要不可欠なシロモノです。
論文も教科書もどちらの文献も非常に重要なのですが、その意味合いは違います。
それぞれの文献を読む意味合い
論文・・・自分のテーマと関わりのある研究を知ること、最新の情報を知ること、英語の訓練
教科書・・・その分野の常識を知ること、実験効率を高めること
論文
論文を読む意味はいくつかありますが、研究を進める上で重要な意味は自分のテーマと関わりのある研究を知ることだと思います。
これは僕が学生の時に、教授が言っていたのですが、世の中には自分と同じ研究をしている人が3人はいるそうです。
そのため、もし自分の研究を誰かが成功してしまったら、今自分がやっている研究がボツになってしまうかもしれません。
ボツではなくとも、自分の研究の新規性は下がってしまう可能性が高いです。
なので、自分の研究と近い論文の情報にアンテナを張ることで自分のテーマに活かす、自分のテーマを論文にまとめるプランを立てていくという発想が大切です。
また、論文を読むことで、最新の情報を知るだけでなく、論文のイントロから今までの研究の歴史を知ることもできます。
新規のテーマの人だと必要な論文集めもイチからやらなければいけないので非常に大変ですが、そこで得る情報収拾のスキルは学生生活の後でも必ず活きています。
教科書
この世の既存のものと既存のものの組み合わせが新しい発見になることは非常に多いです。
そのため、教科書レベルの基本的な知識をたくさん知っておくことで、思いがけないところで自分の研究に活かせるかもしれません。
僕も教科書で研究と一見関係ない分野を勉強したことが、意外にも研究に活かされるということがありました。
外部の人たち(他の研究室の教授、企業、他の大学の人)
研究を進める上で、このことを重要だと言っている人はあまりいないと思いますが、僕はとても重要だと思います。
僕の研究テーマは新規テーマだったので、研究室にちゃんとした評価方法がありませんでした。
しかも、僕の研究の実験方法や評価方法を教授は正確に理解できていなかったので、相談に行っても有意義なアドバイスをもらうことができないことが度々ありました。
そのため、分析装置を使える他の研究室の先生や分析装置メーカーの方々に教えてもらうことで研究を進めていきました。
また、参考にしていた論文の著者に直接コンタクトを取り、その論文の実験手順を教えてもらうなどして、研究を進めていったこともありました。
多分、本来は自分のところの教員に指導を仰ぐのが正しいと思います。
しかし、質問してもこちら側の実験を見もせずにスキルの問題だと取り合ってもらえず、学術的なアドバイスももらえない僕が研究を成功させるには外部の人を頼るしかありませんでした。
最後に
ここまで、研究の進め方について書いてきましたが、研究を成功させるのに最後に重要なのは運だと思います。
あれだけ散々書いていたのに、最後に重要なの運かよ!!と思われるかもしれませんが、研究というのは宝くじに当たるようなものです。
僕が書いてきた方法は、宝くじの枚数を増やすものだと思ってください。
なので、あなたがいくら頑張っても、いくら優秀でも上手く行かないことがあるのが研究です。
けれども、それはあなたがダメなわけではありません。
上手く行かない中で試行錯誤し、色んな方法を探していくことは決してムダではなく、あなたの成長に繋がります。
と、研究を投げ出そうとしていた昔の自分自身へのメッセージも込めて研究の進め方についてここまで書きました。
これから研究を進めていく人や研究に行き詰まっている人たちに、僕の取り組み方が少しでも参考になると幸いです。